自動思考を書き換える

自動思考とは ある環境、出来事、物に対して、自然に頭に浮かんでくる思考のことです。

例えば、
小さい頃に犬に噛まれた経験のある人は犬を見ただけで「噛まれるかもしれない。」と思いますし、
ペットとして犬を飼っていたことがある人は犬を見ると「まあ、かわいい。抱っこしたい」
と思うかもしれません。

このように人によっても違いますが、ある物を見て自然に沸いてくる思考が自動思考です。

この自動思考を自分のトレードを改良するために利用するのです。

まずは損切りに対する自分の自動思考を観察してみましょう。

想像して下さい。

買いのサインがでたので、買いポジションを持ちました。はじめは利益が出ていたのですが、
買いの勢力は続かず、売りに押されて価格が下落し、自分の買値を下回りました。
自分のトレード規則に従って、損切りをしました。
そうしたら損切りをしたとたんまた値が上がっていきました。

そこでどのように感じますか?
感じることを全部ノートに書き出してください。

あ~利益の出ているうちに手仕舞いしてしまえばよかった。
こんなことになるなら、エントリーしなければよかった。
損切りなんてするんじゃなかった。そのまま持っていれば上がったのに。
また裏目に出た。
ロスカットが浅いせいで余計な損失を出した。
このトレードのお陰ですっかり気分が悪くなった。

このような否定的な思考が沸いてくるでしょうか。

では次に
これらの否定的思考の代わりにもっと肯定的で建設的な思考を、考えつく限り思いっきりたくさん
ノートに書き出して下さい。

ちゃんと予定通りの損切りができてよかった。
たまたま損切り後に上がっただけ、トレードはナイストレード。
損切りポイントで躊躇せずにすぐロスカットの判断ができてよかった。
今日はすべて自分のコントロールのもとでトレードできた。
ロスカットで時間をかけないから次のトレードの準備が早くできた。

まだまだありますか?
たくさん書き出してください。

このように、損切りに対する否定的な自動思考を、やる気や意欲が起き易いような
建設的な自動思考に置き換えます。


そしてそれを何度もイメージトレーニングするのです。
自分がロスカットするサインが出た場面にいる様子を思い描き、
その時に沸きあがる感情が建設的な思考で満たされるように何度も何度も繰り返すのです。

スポーツ選手のイメージトレーニングと一緒ですね。

損切りに対して長い間否定的な自動思考を持っていた場合は置き換え作業に時間がかかるかもしれません。
長い間かけてつくられた習慣を変えるには何度も何度も新しい習慣を繰り返しすり込む必要があるのです。

そのようにして損切りに対して肯定的な自動思考を持つようになると損切りはもはや苦痛ではありません。
なんのストレスもなく行える自然の行為になります。

脳に
損切りは苦痛やストレスを生じせるものではなく、
エントリーや利益確定と同様、自分がしっかり実行できて、
自分のコントロールのもとで確かに実行できるという自信を植え付け、深く認識させるのです。

後はそのまま自信を持ってロスカットを続け、
続ければ続ける程にその「的確なロスカット」は強度な習慣になるでしょう。

私はトレードに向かない?

人間の脳はトレードには向いていないとよくいわれます。
もともとがトレードで勝つようにできていないうえに
生まれてから長い間にすり込まれた考え方や嗜好性などは
ほとんどトレードで勝つには不利なのです。

目の前の利益はとりあえず確実に手に入れておきたいので、少しの利益で確定します。
損をするのが好きな人はいませんし、含み損は利益になるまで頑張って保有し続けます。
その結果はめでたく戻ってきて利益になるか、そのまま塩漬けになるかですが・・・・

このようなトレードは普通の人であれば普通にやっていますよね。
普通にトレードすると塩漬け株だらけになってしまいます。

でもこれでは「稼ぐ」ということはできないので、なんとか稼げるようになるためには
損を小さくして、利益を大きくするということを試みるのですが、
これがやればやるほど

「言うは易し、行うは難し」

このことばしか出てきません!

言うは易し、行うは難し

なぜ損小利大は「難し」なのでしょう。

本脳は楽しいことワクワクすること、またはなんだか得をしそうなことにはさっさと反応し行動します。
反対に苦痛なことや不快なこと、ストレスになるようなことはしたがりません。
損切りはぜんぜん楽しいことでもなければ、ワクワクするようなことでもありません。
ましてや得どころか「損切り」ですから、本脳が行動する訳がありません。

このような本能の特質は人間を生存させ続けるための一番大事な機能です。
苦痛やストレスにさらされれば、免疫力が下がり、健康を害しますから
本能としてはそのような行動は阻止しなければならないのです。
人間の生命を危機にさらさないようにすることが本能の仕事なのです。

ストレスだらけなトレードは本能に嫌われていると言う事がわかりますよね。

しかし私達には立派な理性というものがあります。
やらねばならない事はたとえストレスになろうともやらねばなりません。
訓練を重ねれば、理性が本能を押さえ込み、いつかはしっかり理性的なトレードをしてくれることでしょう。

でも実は苦痛なのに、いつもいつも理性が本能を抑えたまま理性的なトレードを
長いトレード生活の間延々と続けていくことが
できるでしょうか。

できるかもしれません。

または人間は時と場合により何をしでかすかわからない、とも言えます。

理性を猛烈に働かせて頑張る!
それもいいと思います。
でも
それ以外の方法もあるのです。

それが「自動思考」を書き換えてしまうということです。

トレードのプロセスに集中する

スポーツ選手が、
例えばフィギュアスケートの選手がオリンピックで金メダルを取ることを目標にしていて
頑張っているとします。
本番で金メダルをとることを考えて演技をしているのと、演技そのものに集中しているのとでは
どちらがパフォーマンスがよくなるでしょうか。

当然演技に集中して役になりきって演じるほうが、より素晴らしいパフォーマンスになるのは
容易に想像できますね。

金メダルが取れるかもしれない、なにがなんでも金メダルを取るぞ、ここで失敗しては金メダルが取れない、
などと考えていては体は緊張してしまい、いつも練習しているようには動かなくなってしまいます。
プレッシャーでガタガタになってしまうこともあります。

金メダルは演技に集中した結果ついてくるものです。

トレードも同じように考えることはできないでしょうか?

「今日は○○円稼ぐ」という目標を立てたとします。
ある程度利益が出ていて、その他に含み損のポジションを持っていて、損切りする場合、
この損切りをすると今日の目標金額を達成することが難しくなってしまう!
目標が達成できない!
ということがふっと脳裏をよぎり
その瞬間の損切りを躊躇してしまうようになります。
その結果
損失がもっと大きくなってしまい、最初ほ時点でちゃんと損切りを実行していればよかったという
後悔と自責の念だけが残ります。

稼ぐ金額を気にしていると、決済するたびに、今日の利益は今のところいくらぐらいだとか、
損切りすると、いくら利益が減ったとか
脳はこちらが頼みもしないのにちゃっちゃと金額計算をしてくれます。

そのお陰で
私達のトレードのその瞬間の判断が遅れる、最悪は判断を変えてしまうかもしれません。

また
利益が乗っているトレードでも、今日これだけ稼げれば十分だなどと脳がアドバイスしてくれので、
さっさと手仕舞いしてしまい、せっかくの大きな利益をものにするチャンスも掴めなくなったりします。

脳が稼ぐ金額に集中している限り、稼ぐために必要な判断をしなくなり、
稼げないトレードをしてしまう判断をするようになってしまうのです。

ですので、

脳には
フィギュアスケートの選手が演技に集中するのと同じように
「トレードを正確に実行するプロセス」に集中しておいてもらわねばなりません。

自分が決めたトレードの規則に忠実に実行するというそのプロセスだけに集中するのです。

利益はトレードを正確に実行した結果ついてくるものです。

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